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東アジア共同体構想の中の日本


東アジアサミット直前に行われた日中首脳会談では4月に温家宝首相の日本訪問が決まり、その先の胡錦涛主席訪日まで視野に入れた話し合いが為されたそうですが、これではますます安倍総理の靖国参拝は遠退きそうですね。
結局、”曖昧(不確定性)戦術”とは体の良い対中用不参拝宣言だったと観られても仕方がありません。ブラックボックスを開けたら、何のことはない、シュレディンガーの安倍猫ちゃんはとっくの昔に死んでましたとさ・・・とならなければいいが。

中国首相訪日へ 参拝けん制か

中国の温家宝首相は、フィリピンのセブで行った安倍総理大臣との会談で、ことし4月上旬か中旬に日本を訪れる意向を伝えました。中国の首相の日本訪問は、2000年に当時の朱鎔基首相が訪日して以来6年半ぶりのことです。

中国外務省の秦剛報道官は、日中首脳会談のあとの記者会見で「日中関係を発展させるため歴史問題に的確に対応するよう望む。この問題が再び日中関係の障害になってはいけない」と述べました。
こうしたことから、中国は、温家宝首相の日本訪問など日中関係の改善に努める姿勢を示すことで、安倍総理大臣が靖国神社に参拝しづらい状況を作り出し、日中関係が冷え込む原因を取り除くねらいがあるのではないかという見方が出ています。

また、中国は、日本と良好な関係を築くことで、経済面での日本の協力を取り付け、さらには、近年軍事的な関係を強化している日米同盟にくさびを打ち込む思わくもあるものとみられています。中国は、安倍総理大臣に年内の中国訪問も要請しており、東シナ海のガス田の開発など山積する問題を首脳外交を通じて解きほぐしていきたい考えです。


対中隷属姿勢をとるNHKに限らず、日本のメディアは大抵の場合、日中関係の冷え込みに対して日本側のデメリットばかりを論(あげつら)いますけど、冷え込んで困るのは寧ろ中国側であることを殆ど言及しませんし、またそれが日本の有効な武器になることも隠し気味です。逆にそれをネタに中共に先んじることだって出来るのに何故、もっと強気な姿勢を取らないのか不思議で仕方ありません。

異常な経済発展を続けながらも、そこから吐き出されてくる負の部分である環境問題(汚染)は、中共政府にしてみれば明らかに諸刃の剣です。
その環境対策に非常な後れをとっていることで、中共政府としては日本の優れた環境対策技術と資源有効利用技術が喉から手が出るほど欲しいわけです。

安倍首相は今回の東アジアサミットで、「日本のエネルギー協力イニシアチブ」(大規模な省エネ支援表明 東アジアサミットで安倍首相)を表明したそうですが、資源のない日本にとって唯一誇れる科学技術をまさしく、如何にイニシアティブ(主導権)を取って東アジア各国に示す事ができるかは今後の日本の戦略にとって非常に重要でしょう。
日本政府及び安倍首相に於いては、この大事な宝物を安易な共同体構想に振り回されることなく戦略的に使って欲しいと思います。

ところで、今回の東アジアサミットでは、この東アジア共同体構想に絡む16か国の経済連携協定(EPA)構想について年内の検討開始が合意されるそうです。

首相、10項目の経済協力提案・東アジアサミット
【断面】FTAで経済グローバル化 食料安保が曲がり角

日本が提唱するとは銘打ってますけど、日本が主導的かどうかは定かではなく、安倍首相の発言はどうもEPAを安易に捉えているような気がしてなりません。
問題は云うまでもなく中共です。

EPAの元になっているのは、経済グローバリズムとも云うべき自由貿易協定(FTA)です。基本精神は協調主義ですが、中共の覇権主義はこれとは対極を為すものですから危険性は大いにあります。
三井物産戦略研究所の機関誌(THE WORLD COMPASS)の記事(アジア経済連携の行方 アジアの多極ネットワーク化とASEANの役割、pdfです)で、海外情報室研究員の新谷氏は以下のように述べています。

しかし、中国の経済戦略は必ずしも協調路線ではない。FTAは市場を囲い込むという側面を持つため、いわば「早い者勝ち」の色が強く、ASEANをいち早く囲い込むことで、日本の影響力を弱める効果がある。
ASEAN地域は経済的には日本との関係が最も強いが、米国との関係も強い。中国にとっては、米国の影響力の強い地域をアジアから減らすことで、アジアにおけるパワーを一層強めようとするだろう。

FTAは協調路線でありながら、覇権主義を助長する可能性もある。現在は中国経済が成長の途上であることから、ネットワーク型が有効に働き、経済連携の期待が高まっているが、 FTAが経済連携と逆の方向性を生み出す可能性もある。
現在進んでいる経済連携の流れも、元はといえば中国が動いたことで、ASEANも日本もインドも、急激にその流れに乗らざるを得なくなった。中国のインパクトはそれほど大きい。


ここでは、中共を除く東アジア各国に対して日本がFTAに後れを取った場合のデメリットとして、(中共の)覇権主義の増長を懸念しています。
また、このEPAは媚中派の二階元通産相も積極的であったことは記憶に新しいところです。
これについては、反日ワクチン様のサイトに懸念が纏めてあります(<二階経済産業相>「東アジア経済連携協定」構想を表明)。

安倍総理はこうした東アジア共同体構想に対して中共がどの様にコミットしてくるのか、またその危険性をどの程度まで熟知しているのか心配です。
と云うよりも、危険性は熟知しているでしょうけど、首相周辺の取り巻きに上手く丸め込まれてやしないかと言った方が良いのかもしれませんね。若しくはそれを知りつつも、参院選などを人質に身動きを封じられているか、です。

靖国参拝における曖昧戦術と云い、貴重な環境技術の安易な提供姿勢と云い、真に一本通った骨太な意気込みがなかなか見えてこないのは本当にマスコミの印象操作なのか、それとも安倍首相の基盤・意志の弱さなのか、もうそろそろ分かってくるのではないでしょうか。

ホントにしっかりしてくれ! 安倍総理。



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