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今後の北朝鮮に対する中露の対応は?


前エントリー(迷妄する金正日)で今後の中・露の対応について言及の足りない部分があったので、このエントリーで補足的に若干の考察を行ってみたいと思います。

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二回目の核実験を行えば、今度こそ中露も軍事オプションを含む国連憲章第7章第42条の適用に反対できないでしょう。中露にしたら、「もうお前は護りきれない」と云うところだと思います。
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前エントリーでは上のように書きました。中・露とて北の実用核兵器保有には反対でしょうから再試となれば、本音はともかく、安保理常任理事国として制裁決議強化に協力せざるを得ないということです。
これによって北(金正日)が根を上げれば、この決議が拉致問題の解決にも大きく貢献することになります。

とは云え、金正日は軍事オプションさえ排除しない制裁決議に対して実際に根を上げるのでしょうか?
この事に関して、今月3日の東亜日報には中国共産党中央党校教授で朝鮮半島問題専門家のインタビュー記事(「核放棄なければ…、米は最後には軍事行動」 中国専門家が語る北核の行方)が掲載されてました。必要部を引用します。

――北朝鮮が核を諦めないと言う根拠は?

まず経済的な見返りや政治・軍事的な安全保障など、北朝鮮の要求が多すぎて、米国をはじめ残りの国が受け入れ難い状況にある。また、米国が現在示している補償案は、北朝鮮を満足させられないものだ。特に、北朝鮮は核兵器がなければ、米国への対抗手段がなくなるため、北朝鮮はたとえ相手がさらなる譲歩をするとしても、決して核を諦められない

――北朝鮮が核を諦めなければ、国際社会の制裁がさらにエスカレートするはずだが。

北朝鮮が核を諦めなければ、米国は中国に正面から働きかけてくるだろう。結局、中国は食料と石油の対北朝鮮支援を中断せざるを得なくなるだろう。しかし、そうだとしても北朝鮮が核を諦めることはないと思う

――中国が食料と石油の支援を中断すれば、北朝鮮の経済が破綻し、ひいては北朝鮮体制が崩壊するという主張もあるが。

たとえ中国が食料と石油の支援を中断するとしても、北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)政権が容易く崩壊することはない。北朝鮮は他の国と違って、多くの人が飢え死にしても政権が崩壊することはない。北朝鮮には金正日政権を崩すような反対勢力が全く形成されていない

――北朝鮮が最後まで核を諦めない場合、米国の出方は?

米国は最後は、軍事行動に踏み切るだろう。もうさらに強力な制裁にも関わらず、北朝鮮が核を諦める意志がないということが確認されている以上、韓国と中国いずれも米国の軍事行動に反対するのは難しい。なぜなら、韓国や中国に一番重要なのも韓半島の非核化であるためだ

――米国が軍事行動に踏み切る時期は、いつ頃と考えているのか。

今年または来年までは、交渉が続くものと見ている。しかし、来年を越そうとはしないだろう

――米国と中国がお互いに密約を結んで、北朝鮮の金正日政権を非核親中政権に変えようとする可能性があるという噂があるが。

中国はこれまで、そのようなやり方で事を進めたことはない。それは望ましくなければ、可能性もほとんどない


この人の見方では、更なる制裁決議により中共が呼応して石油等の援助をストップしたとしても、北は核放棄に応じず、最終的なアメリカの軍事力による強制排除によってのみ核放棄は達成されると云うことです。
勿論、これが即、中共政府の考えに一致するわけではないでしょうが、ある意味、現在の北が宗主国に近い中共の思惑さえ無視して突っ走っている姿に当惑している様子が見えてきます。
しかし、一般のライフラインに当たる石油や食料を完全に止められてもギブアップしない予測が成り立つとは・・・、まぁ普通はここまで行き着いてしまえば、一か八かの勝負に出てくるんですがね、いずれにせよ、必然的な軍事力行使により決着を着けるしかないと云うことでしょう。

また、4日付けの読売社説([深化すべき日米同盟]「『北』の核の脅威を排除せよ」)には、朝鮮半島の非核化に向けた中共政府の役割に対し、日本はどの様な対応を取ればいいのかを以下のように述べています。

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中国は、北朝鮮問題のみならず、東アジアの新秩序形成で、政治、経済、安全保障などあらゆる面で主導権を握ろうとしている。日本の国連安全保障理事会常任理事国入りに反対する姿勢も容易に改めはしないだろう。

日本としては、中国の姿勢の変化を粘り強く促す努力が必要だ。そのためにはインド、豪州、東南アジア諸国連合(ASEAN)、ロシア、中央アジア諸国など、東アジアの多様なプレーヤーとの幅広い連携強化も必要になってくる。

それが、北朝鮮の核廃棄にとどまらず、日本の国益に沿った東アジアの新秩序形成につながる。

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要は中共を除く東アジアとの連携を密にして中共の疎外感を刺激せよと云うことでしょうけど、北の核放棄に関しては彼らも日本と同様の立場なんですから余り意味無いように思うのですが・・・確かに、中共指導ではない秩序形成にとっては意義深いことでしょうね。

反日左派は、何かと云うとすぐに拉致問題を解決するためには中国の協力が必要なのに、首相の靖国参拝を始めとする日本の行為がそれを阻んでいるとよく因縁をつけてきますけど、北朝鮮に対する中共の政策と日本に対するそれとは殆どリンクすることのないレイヤーの異なるお話しだと思ってます。
中共が北を庇護するのは自身の純国益の問題です。日本が靖国参拝を止めようが、尖閣を譲渡しようが、中共が日本の代わりになって本気で北を説得するわけがありません。例え、日本が中共の属国になったとしても、せいぜい「日本-北朝鮮の国交正常化」に一枚、中共が絡んで「日本-中共-北朝鮮」になるだけで、日本にとって何の利益にもならない国交正常化にもっていかれることに何ら変わりはありません。
反日左派はどうしてそこまで、あの中国共産党にコミットできるのか?不思議でなりません。


さて、お次はロシアなんですけど、この国は本当に何を意図して行動しているのか、また北朝鮮にどういった種類の国益を感じて擁護しているのか、なかなか掴みきれません。
最後まで本音を隠していて何時も漁夫の利を狙い(勝ち馬に乗る?)、不当を平気で正当化するその狡猾な姿勢は、ある意味、中共よりも不気味です。本当に貪欲で、とても民主化された国とは思えませんね。

旧ソ連時代の強大な軍事力、永久凍土を含むとは云え広大な領土と豊富な鉱物・石油資源を保有し、最近の原油価格高騰の好景気により経済的にも優越性を誇示し始めた国の対北戦略はどんなものなんでしょうか?

最近のトピックに、「北朝鮮の対ロシア債務、8割まで帳消しに」と云うものがありました。これも最近の好景気からの大盤振る舞いなんでしょうかね。
この記事では、ロシアが債務を軽減する代わりに六者協議への積極姿勢を求めているなんて書いてありましたけど、実のところは北の完全な債務不履行を見越して、取れるうちに取ってしまえって事ではないかと思ってます(つまりは崩壊を見越したと云うことか?)。

また、これの付随記事には余剰電力を韓国と北朝鮮に供給する事業を開始するようなことが書いてありました。
如何にも北を助けるかのような外交努力をしているように見えますが、記事にあったロシア消息筋の言った言葉「韓国の資本で電力不足にあえぐ北朝鮮を支援しようという意味だ」から見えることは「自分の身銭は切らないよ!」と云う商売人根性だけです。

最初にロシアの対北戦略は掴みきれないと申しましたが、こうした一つのトピックからでも多少はロシアの考えが読み取れそうです。
端的に云えば、ロシア-北朝鮮間の絆は精々、経済的な打算関係が大部分を占めており、中共ほどのイデオロジカル&テリトリアルな親和関係は少ないように思えることです。

だとすれば、ロシアは中共のような執着心を見せることもなく北を国際社会に放逐する可能性が高いものと思われますので、対北に限ってはそれ程の不気味さを感じてなくても良さそうです。
ただ、ロシアはロシアですから、最後にトンでも無いどんでん返しをされそうではあります。今後はロシアの動きも注視していきます。

結論としては、中・露に積極的協力姿勢を求めることは困難だが、(積極的)黙認姿勢を求めることは可能である、と云ったところでしょうか。
いずれにせよ、これは北朝鮮の今後の行動如何でしょう。



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